2014/10/30

古(いにしえ)の花

おはようございます。今日もすっきり晴れましたね。
みなさまお変わりなくおすごしでしょうか?
飛騨から岐阜への街道沿い、どこまで続くの?と言いたくなるほど
セイタカアワダチソウが群れています。
御嶽山の白い噴煙の麓にも、変わらずこの花が揺れているのでしょうか。

噴火でお亡くなりになられた方々、そのご家族の皆さまに
謹んでお悔やみを申し上げます。
また、怪我を負うなど被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申し上げます。

東白川街道 緋もみじ

















セイタカアワダチソウ・・誇らしげに天を衝くような真っ黄色な鉾。
このたくましくスックと伸びた姿も好きですが
良く似た黄色でも、少し弱よわしげな女郎花(オミナエシ)に心惹かれます。
別名「思い草」と呼ばれ、万葉の時代からたくさん詠われてきました。

「をみなへし 秋の野風にうちなびき 心ひとつをたれによすらむ(藤原時平)」
(女郎花よ、秋の野を吹き過ぎる風になびいて、一心に誰に思いを寄せているのだ)

女郎(じょろう)とは、本来貴族の令嬢・令夫人を称した一種の敬語だったそうです。
枝先に黄色の小花を揺らし、少し首を傾けたようなさま・・
茎をすらりと伸ばし、秋風にしなやかに揺れる立ち姿は、
さぞかし情感を揺すぶられるものだったのでしょう。

たおやかで儚げ・・風に扇が舞うような様を見ていると、
遥かな古から多くの歌人にこの花が愛されてきたのもわかる気がします。