2013/01/29

春を誘う


みづからが もて来りたる 蕗の薹  あまつ光に むかひて震ふ(斉藤茂吉)



















藪蔭の小径を抜け 雪溶けの沢でふきのとうを見つけました。

ふっくらと丸みを帯びたつぼみは

手にとると意外に重くてはっとさせられます。


早朝の凍えるような寒さの中で、

茶色の枯れ葉の中からひょっこりと顔をだした浅黄色の小毬。


小さなからだの中にいっぱいのエネルギーを溜めこんで

ちょこんと微笑んで座っている愛らしい姿に

思わず、ほおずりしたくなりました。


思いがけない早春の兆しに

かじかんだ指までが温かくなるようでした。