2013/12/15

逢い見ての

「逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり(権中納言敦忠)」

梅林公園にて

激しい恋心を詠った歌ですが
男女の間柄にかかわらず
その人との出会いが
自分の人生に
大きな変化をもたらしたということは
どの時代
どの人にも等しく通じること。


来年もみなさまに
素敵な出会いが訪れますように。


2013/05/17

イワウチワ

イワウチワ


忘却とは忘れ去ることなり。
忘れ得ずして
忘却を誓う心の悲しさよ。
(菊田一夫)















君の名は・・・

ふと立ち寄った東屋の庭に、ひっそりと佇んで
まるで、ふるえているような花弁。

いつ訪れるとも知れぬ人を待ち続けて
名前も明かさず、春の宵闇に溶け込むように
ただ、あるがままに其処に居る。

こんな生き方もあるんだなあ・・・と思いました。
また、どこかできっと逢えますように。

 

2013/01/29

春を誘う


みづからが もて来りたる 蕗の薹  あまつ光に むかひて震ふ(斉藤茂吉)



















藪蔭の小径を抜け 雪溶けの沢でふきのとうを見つけました。

ふっくらと丸みを帯びたつぼみは

手にとると意外に重くてはっとさせられます。


早朝の凍えるような寒さの中で、

茶色の枯れ葉の中からひょっこりと顔をだした浅黄色の小毬。


小さなからだの中にいっぱいのエネルギーを溜めこんで

ちょこんと微笑んで座っている愛らしい姿に

思わず、ほおずりしたくなりました。


思いがけない早春の兆しに

かじかんだ指までが温かくなるようでした。